FC2ブログ

ネットコンペ・ミシュラン

『日経アーキテクチュア』からの抜粋です。
情報ということで以下に記載させて頂きます。

求む!建築設計のネットコンペ・ミシュラン
2007/11/05

 独立後、間もない住宅設計者を取材して、意外なまでの「ネットコンペ・アレルギー」に驚いた。ネットコンペとは、建築プロデュース会社などがインターネットを介して発注者の依頼を受け、参加者を募る設計コンペだ。住宅設計者との接点を求める発注者と、新たな発注者との出会いを求める住宅設計者のニーズに応え、この10年ほどで市民権を得たシステムだ。普及はしたものの玉石混交のようで、「石」にぶつかった設計者がネットコンペに持つ印象は悪い。

 「一度参加してみたが、該当者なしという結果になった。発注者が住宅建設をとりやめたのだという。該当者“あり”なら納得できるが、“なし”は納得できない。設計は無料だ、と思われるような気がしてならない」。

 「プロの審査員もいない。発注者がテレビや雑誌の影響で思い込んでいる“センスの良い設計”を求められ、従うだけ。そんな違和感を覚えた」。

 こうした体験だけでなく、実際にはコンペに参加したこともない住宅設計者が疑心暗鬼に陥っているケースもある。「偽のコンペを実施して、発注者が融資を受けられなかったなどという理由をでっちあげ、登録料とコンペ参加料で利益を上げるやらせが横行しているらしい」「設計料より多いプロデュース料を取る会社があるらしい」「結局、仕事につながらないらしい」と、「らしい」「らしい」のオンパレードだ。

 実際にネットコンペを主催する建築プロデュース会社を3社ほど取材したところ、真摯な姿勢だった。ただ、ネット上にあふれるコンペ情報をたどっていくと、とらえどころがなくて評価が定まらない。

 まずネットコンペを実施している建築プロデュース会社の数があまりに多い。「登録料無料(ただし、コンペ参加時に2万円)」「プロデュース料は設計・監理料の3%」などと必要なコストもまちまち。コンペだけ実施するサービスもあれば、契約までのコンサルティングも請け負ったり、竣工まで相談に乗ったり、果ては自ら工務店で施工を請け負うことが前提だったり、と千差万別。しかも、その違いが微妙ときている。

 微妙な違いはもどかしいものだ。加えて、インターネット上の情報である。「わけもなく、なんとなく信頼できない」という不安は、誰しもが持っているだろう。ましてや、登録料やコンペ参加費を支払わなければならないシステムとなれば、利用する住宅設計者が疑心暗鬼に陥るのも無理はない。

 かく言う筆者も、仕事で必要に迫られてウェブ上の情報を一覧表にまとめでもしなければ、その微妙な差異の存在すら気付かなかったろう。いまも、ネットコンペや建築プロデュース会社の全容を把握しているとは、とても言えない。ただ、その問題点に気付いたにすぎない。

 まずは、あまたあるこうしたサービスの情報を収集し、整理し、評価するシステムが必要ではないか。どの企業やサービスが信用でき、信用できないのか、簡単に把握できる何かが求められてはいないか。

 「仮に多少のピンはねがあったとしても、コネのない若手設計者はネットコンペに参加せざるを得ない」。そんな声を聞く度に、「ネットコンペ・ミシュラン」、あるいは「ネットコンペ・恨ミシュラン」の必要性を痛感せずにおれない。

 なお、私が調べたネットコンペや建築プロデュース会社に関する情報は、日経アーキテクチュアの11月12日号に掲載する。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する